死亡保険と受取人~本人・子供・配偶者誰にする?FPが教える失敗しない選び方と変更方法

2019.03.23

死亡保険(生命保険)

死亡保険に加入した場合、受取人をどうするかは皆さんが悩むところではないでしょうか。

死亡保険の受取人は、原則、戸籍上の配偶者または被保険者の二親等以内の親族と決まっており、保険会社によっては三親等内の親族も指定できたり、同性のパートナーなども指定できます。

死亡保険の受取人になった場合は、税金にも注意を払わなければならず、受取人によって、相続税か贈与税か所得税か変わってきます。

もちろんそれぞれ計算方法も異なります。

さらに、受取人は複数指定できたり、遺言書でも変更できます。

受取人が万一死亡した場合、そして変更する場合も含めて、受取人になった以上、覚えておかなければならないことは沢山あります。

ぜひこの記事を読んで、死亡保険と受取人について学んでいきましょう。

目次

死亡保険の受取人になれる人の条件と範囲

死亡保険と受取人について見ていく上で、知っておくべきことは、受取人になれる人の条件と範囲です。

原則、受取人は、戸籍上の配偶者または被保険者の二親等以内の親族となっています。

こちらは、死亡保険に限らず、すべての保険種類で共通です。

原則があれば、例外もありますが、こちらは後ほど解説してきます。

死亡保険の受取人は本人もなれる?

死亡保険の受取人は本人もなれます。

ここでいう本人とは、契約者のことです。

契約者の定義は後ほど解説しますが、簡単にいうと、保険料を負担する人のことです。

受取人が本人だと、一時所得として所得税が課税されます。

受取人と税金の関係についても、後ほど詳しく見ていきます。

配偶者

死亡保険の受取人には、配偶者もなれます。

ここでポイントなのが、通常の婚姻関係にあることであり、内縁関係ではないということです。

二親等以内の親族

また、死亡保険の受取人には、被保険者の二親等以内の親族もなれます。

そもそも一親等とは本人および配偶者の両親と子供で、二親等とは、その本人の祖父母、兄弟、姉妹、孫およびその配偶者です。

間違えやすいので、注意しましょう。

保険会社によっては三親等以内の親族

原則を見てきましたが、例外は、三親等以内の親族も受取人になれるということです。

ただし、これは保険会社によって異なります。

気になる方は、契約している保険会社に電話などで問い合わせてみましょう。

保険会社や条件によっては内縁の妻・夫も受取人に指定できる

内縁の妻・夫も受取人に指定できる場合もあります。

例えば、ライフネット生命のホームページには、以下のように記載されています。

死亡保険金の受取人に事実婚のパートナーを指定いただくことも可能です。

ただし、戸籍上の配偶者の有無、同居期間といった条件の違い等によって、保険金額に上限を設けてのお引き受けとなる場合や、お断りする場合もございます。

また、加入に際しては、お客さまを訪問し、面談にて申込内容などについて確認させていただく場合もございます。

そのうえで、総合的な審査を行い、判断することになりますので、ウェブサイトよりお申し込み手続きを行ったうえで、審査結果をお待ちくださいますようお願いいたします。

引用先_ライフネット生命「よくあるご質問」

こちらも保険会社によって異なりますので、問い合わせてみましょう。

保険会社や条件によっては婚約者も受取人に指定できる

婚約者に関しても、保険会社や条件によっては、指定できます。

一般的に、お互いに独身で、2年以上生計を共にしていて、一定期間内に結婚の予定があることが条件となっています。

婚約者を受取人に指定したいという方は参考にしてください。

外部サイト⇒保険の教科書「生命保険の受取人を決めるときに絶対に知っておくべき3つの確認事項」

保険会社や条件によっては同性のパートナーも受取人に指定できる

LGBTの広がりにより、同性のパートナーも受取人に指定できる保険会社は増えています。

例えば、大手生命保険会社の日本生命では、平成27年11月19日から、同性パートナーを死亡保険金の受取人に指定することについて簡易に手続きできることが可能となりました。

渋谷区の「パートナーシップ証明書」を持っている方が対象です。

その証明書の写しを提出することにより、可能です。

外部サイト⇒日本生命「同性パートナーの死亡保険金受取人指定に関する取扱いについて」

死亡保険の受取人と税金の関係

次に、死亡保険の受取人と税金の関係について解説していきます。

死亡保険金を受け取った場合には、税金がかかってくるものです。

受取人は死亡保険金を受け取ったら、税務署に納税しなければなりません。

ここまでは簡単なのですが、ややこしいのは、受取人を誰にしたかによって税金の種類が変わってくることです。

具体的には、受取人によって、相続税か贈与税か所得税がかかってきます。

死亡保険における契約者と被保険者、受取人について

まず、受取人と税金の関係を見ていく上で、そもそも契約者と被保険者と受取人とはどういった人たちなのかを知る必要があります。

以下、それぞれについてまとめましたので、ご確認ください。

・契約者

保険会社と保険契約を結び、契約内容の変更請求権などの一切の権利と保険料支払義務などの義務を持つ人。

・被保険者

その人の生死や病気について、保険の対象となる人。

・受取人

保険会社から保険金を受け取る人。

それぞれについて確認したところで、受取人別の税金のかかり方を解説していきます。

相続税になる場合と計算方法

相続税になる場合は、契約者と被保険者が同じときです。

例えば、契約者が夫、被保険者も夫、受取人が妻といった場合です。

そもそも相続税とは、相続財産を受け継いだ場合にかかる税金です。

相続税は、非課税財産として死亡保険金から「500万円×法定相続人」を引くことによって求められます。

法定相続人とは、配偶者と血族であり、血族については優先順位がつけられており、

・第1順位 子および代襲相続人
・第2順位 両親などの直系尊属
・第3順位 兄弟姉妹および代襲相続人

となっています。

そして、死亡保険金以外にも財産がある場合は、「3,000万円+1,600万円×法定相続人」の基礎控除額も引かれます。

そして、残った額を各法定相続人が法定相続分によって取得したと仮定して金額を求め、その金額に税率を乗じて各法定相続人の税額を計算し、それらを合計して求めます。

税率は、以下の表のとおりです。

法定相続分に応ずる取得金額 税率 控除額
1,000万円以下 10%
1,000万円超から3,000万円以下 15% 50万円
3,000万円超から5,000万円以下 20% 200万円
5,000万円超から1億円以下 30% 700万円
1億円超から2億円以下 40% 1,700万円
2億円超から3億円以下 45% 2,700万円
3億円超から6億円以下 50% 4,200万円
6億円超から 55% 7,200万円

参考サイト⇒国税庁「財産を相続したとき」三井住友銀行「法定相続人の範囲」

贈与税になる場合と計算方法

次に、贈与税になる場合と計算方法について解説していきます。

贈与税になる場合は、契約者も被保険者も受取人も全て異なる人の場合です。

例えば、契約者が夫で、被保険者が妻で、受取人が子供の場合です。

贈与税とは、個人から贈与によって財産を取得した場合にかかる税金です。

贈与された財産の金額から110万円の基礎控除を差し引いて、その残りの金額に税率を乗じて求めます。

税率は、以下の表のとおりです。

基礎控除後の課税価格 200万円以下 400万円以下 600万円以下 1,000万円以下
税率 10% 15% 20% 30%
控除額 10万円 30万円 90万円

参考サイト⇒国税庁「贈与税の計算と税率(暦年課税)」

所得税になる場合と計算方法

次に、所得税になる場合と計算方法について解説していきます。

所得税になる場合は、契約者と受取人が同じときです。

例えば、契約者が夫で、被保険者が妻で、受取人が夫といった場合です。

所得税とは、個人の1年間の所得に対してかかってくる税金です。

所得税には、以下のように10種類に分けられます。

1 利子所得
2 配当所得
3 不動産所得
4 事業所得
5 給与所得
6 退職所得
7 山林所得
8 譲渡所得
9 一時所得
10 雑所得

引用元_国税庁「所得税のしくみ」

この中でも今回あてはまるのが一時所得です。

一時所得とは、国税庁のホームページで以下のように説明されています。

一時所得とは、営利を目的とする継続的行為から生じた所得以外の所得で、労務や役務の対価としての性質や資産の譲渡による対価としての性質を有しない一時の所得をいいます。

この所得には、次のようなものがあります。

(1) 懸賞や福引きの賞金品(業務に関して受けるものを除きます。)

(2) 競馬や競輪の払戻金

(3) 生命保険の一時金(業務に関して受けるものを除きます。)や損害保険の満期返戻金等

(4) 法人から贈与された金品(業務に関して受けるもの、継続的に受けるものは除きます。)

(5) 遺失物拾得者や埋蔵物発見者の受ける報労金等

引用元_国税庁「一時所得」

一時所得は、「総収入金額-保険料総額-特別控除額(50万円)×1/2」で求められます。

死亡保険の受取人は誰にするのが一般的?受取人シュミレーション

次に、死亡保険の受取人を様々シュミレーションして、それぞれの場合のメリットとデメリット、税金について解説していきます。

生命保険の受取人を被保険者本人にした場合のメリットとデメリット

生命保険の受取人を被保険者本人にした場合のメリットとデメリットについてです。

死亡保険では、受取人に被保険者を指定することはできません。

最初に述べたように、契約者を指定することは可能ですが、被保険者はできません。

そもそも保険の対象となっている人が亡くなって、その人自身が受取人になるというのはおかしな話です。

ですが、生命保険でも医療保険では受取人に被保険者を指定することは可能で、これは一般的に行われていることです。

ですので、その場合のメリットとデメリットを解説していきます。

メリットは、受取人が被保険者の場合だけに限りませんが、給付金は非課税で受け取れる点です。

非課税となる主な給付金は、入院給付金や手術給付金、通院給付金、疾病(災害)療養給付金、がん診断給付金、先進医療給付金などです。

そもそも、病気やけがをして受け取った給付金に税金がかかるというのもおかしな話ですよね。

一方、デメリットは、被保険者は契約したら変更できないため、受取人の変更をしない限り、受取人のままでいなければならない点です。

あまりこういった場面になることはないとは思いますが、覚えておきましょう。

参考サイト⇒損保ジャパン日本興亜ひまわり生命「よくあるご質問(Q&A)」生命保険文化センター「税金に関するQ&A」

生命保険の受取人を被保険者本人にした場合の税金シュミレーション

生命保険の受取人を被保険者にした場合、税金はかかりません。

先ほども説明したように、例えば、入院給付金でしたら、受け取っても納税しなくてもよいのです。

入院給付金を100万円受け取った場合でも課税されないので、100万円をそのまま受け取れます。

生命保険の受取人を配偶者(パートナー)にした場合のメリットとデメリット

次に、生命保険の受取人を配偶者(パートナー)にした場合のメリットとデメリットを解説していきます。

メリットは、先ほど同様、給付金を受け取っても非課税である点です。

例えば、契約者が夫で、被保険者も夫で、受取人が妻の場合、贈与税でもかかりそうですが、納税する必要がないのです。

デメリットは、夫の保障なのに、妻が受け取る点です。

もちろん契約の際に、このように取り決めたのだと思いますが、受取人を夫にしたくなっても手続きで時間がかかります。

ですので、受取人指定は慎重にしましょう。

生命保険の受取人を配偶者(パートナー)にした場合の税金シュミレーション

先ほどと同じになりますが、受取人を配偶者(パートナー)にした場合も税金はかかりません。

ですので、安心して給付金を受け取ることができます。

生命保険の受取人を子供にした場合のメリットとデメリット

次に、生命保険の受取人を子供にした場合のメリットとデメリットです。

メリットは、先ほど同様、給付金を受け取っても非課税である点です。

こちらも贈与税あたりがかかりそうですが、納税する必要がないのです。

一方、デメリットは、被保険者の保障なのに、子供が受け取るというあまりないパターンになる点です。

契約者が夫で、被保険者も夫で、受取人が子供の場合、夫が病気をしたのに、その給付金は子供が受け取る形となります。

もちろん、受取人の変更は出来ますが、時間もかかるので、受取人指定は慎重に行いましょう。

生命保険の受取人を子供にした場合の税金シュミレーション

生命保険の受取人を子供にした場合も同様、非課税となります。

入院給付金100万円を受け取っても、課税されず、100万円そのままを受け取れます。

生命保険の受取人を親や兄弟姉妹にした場合のメリットとデメリット

次に、生命保険の受取人を親や兄弟姉妹にした場合のメリットとデメリットです。

メリットは、同様、給付金を受け取っても非課税である点です。

一方、デメリットも同様、被保険者の保障なのに、親や兄弟姉妹が受け取るというあまりないパターンになる点です。

契約者が夫で、被保険者も夫で、受取人が親の場合、夫が病気をしたのに、その給付金は親が受け取る形となります。

生命保険の受取人を親や兄弟姉妹にした場合の税金シュミレーション

生命保険の受取人を親や兄弟姉妹にした場合の税金シュミレーションについてですが、こちらも非課税となります。

死亡保険の受取人を複数指定する方法

話は変わりまして、次に、死亡保険の受取人を複数指定する方法についてです。

そもそも保険の受取人は1人に限らず、複数指定できます。

例えば、今までは受取人を配偶者のみにしていたが、子供が生まれたため配偶者に加えて子供も指定するといった場合があると思います。

複数指定する方法は、契約の時点で受取人を誰にするか決めなければならないため、その際に複数指定すればよいのです。

その際に注意したい点は、受取人それぞれの割合です。

割合についても契約の際に決めなければならないため、例えば、夫50%、長男25%、次男50%などとします。

死亡保険の受取人が死亡したらどうする?

死亡保険の受取人が死亡した場合について解説していきます。

受取人が死亡する場合は想定できることですよね。

万一、受取人が死亡した場合は、速やかに保険会社に連絡しましょう。

手続きを行い、別の人を受取人に指定します。

死亡保険の受取人を変更する方法

その別の人を指定する、つまり変更する場合は、速やかに保険会社に連絡しなければなりませんが、その際の注意点は、被保険者の同意を得なければならない点です。

勝手に変更してはいけません。

参考サイト⇒第一生命「お受取人の変更」

遺言書でも死亡保険の受取人は変更することができる

さらに、遺言書でも死亡保険の受取人は変更することができます。

保険法第44条には、以下のように記載されています。

「保険金の受取人の変更は、遺言によっても、することができる。」

引用元_e-Gov「保険法」

もし遺言書によって受取人の変更を指示したい場合は、参考にしてみてください。

まとめ

以上、死亡保険と受取人についてでした。

死亡保険の受取人も時代の流れとともに、同性のパートナーを指定することができるようになるなど、変化しています。

今後も変わるかは分かりませんが、常にアンテナを張っておきたいものです。

そして、受取人と税金の関係についても、いざ受け取ったときに、すぐに対応できるように自分の場合はこの税金がかかるのだということを確認しておきましょう。

もし死亡保険と受取人について分からなくなったら、この記事を見返してみてください。

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