がん保険と共済を徹底比較!メリット・デメリットと5つの共済をFPがシミュレーション

2019.05.28

がん保険

この記事を読んでくださっている方は、がん保険を共済で準備できないかと考えておられる方がほとんどでしょう。

結論から言うと、がん保険は共済で加入することができますが、民間の保険会社との違いがあります。

そこで、今回はがん保険を共済で準備する際の注意点や民間のがん保険との違いをまとめました。

この記事を読んでいただくことで、共済のがん保険と民間のがん保険の違いが分かるようになり、がん保険がより選びやすくなるためご一読ください。

共済のがん保険と民間保険会社のがん保険の違い

共済のがんほけんと民間保険会社のがん保険は、保険の対象となる方ががん(悪性新生物)になったときに、保険金や給付金を受け取れるという点で共通しています。

しかし、共済のがん保険と共済のがん保険は、以下のように根拠となる法令や、監督している省庁が異なるため、ご確認ください。

民間保険会社の

がん保険

共済のがん共済・特約
全労済、CO・OP共済

都道府県民共済

JA共済
根拠となる法令 保険業法 消費者共同生活組合法 農業協同組合法
監督庁 金融庁 厚生労働省

 

農林水産省
営利・

非営利

営利目的 非営利目的
保障内容 手厚い 最低限
選択肢 広い 狭い
割戻金 有り なし
告知 ・健康診断の結果が必要な場合がある

・健康状態に不安がある人も加入できる医療保険がある

基本的に健康診断の結果等は不要

(告知書への記入のみ)

 

根拠となる法令が違うことで、以下のように用語も一部異なります。

民間のがん保険 共済のがん共済・特約
保険契約者 共済契約者
保険料 共済掛金(掛け金)
保険金 共済金

説明の際に使用されるパンフレットや、契約に関して細かな規定が記載された約款に記載されている言葉が異なるため、注意しましょう。

このように、共済のがん保険と民間保険会社のがん保険は、似て非なる存在なのです。

共済のがん保険は安い?

共済のがん保険は、民間のがん保険よりも安くなっています。

一方で、共済でがん保険に単独で加入できるものは、民間のがん保険よりも高くなる場合があるので注意が必要です。

入院給付金日額を10,000円に合わせて、民間のがん保険と共済のがん共済・特約の保険料、掛け金を比較してみましょう。

種類 保険料・掛金 払込期間
生きるためのがん保険Days1

(アフラック)

民間保険会社 3,485円 終身
がん共済

(JA共済)

共済(主契約) 6,517円 99歳まで
新がん特約

(都道府県民共済)

共済(特約) 2,000円 60歳まで

※「生きるためのがん保険Days1」と「がん共済」は、加入年齢を30歳と仮定して試算

都道府県民共済の「新ガン特約」や「新三大疾病特約」は、年齢が18歳〜60歳であれば月の掛金が2,000円で加入できます。

しかし特約だけ加入することはできず「総合保障型」や「入院保障型」に加入していなければなりません。

このように、がん保険は共済の方が必ず安いわけではない点に注意しましょう。

共済のがん保険のメリット

共済のがん保険のメリットは、以下の4つが考えられます。

掛け金の負担が低くなるケースが多い

必ずではないですが、共済のがん保険の方が、掛け金が低くなる可能性があります。

掛金の設定が低いことに加えて、配当金や割戻金が存在するからです。

配当金・割戻金とは、共済の制度運営において、決算後に剰余金が生じた場合に、加入者に変換する仕組み。

つまり、余ったお金を加入者に戻してくれるのです。

どのくらいのお金が戻ってくるかは、年によって異なりますが、都道府県民共済の「新がん特約」は、2017年度に39.08%の割戻金を加入者に返還しています。

つまり年間で24,000円の掛金だった場合は、9,379円が加入者に返還され、実質の掛金負担は約1,200円程度だったことになります。

民間の保険会社の保険にも配当金がある場合がありますが、仕組みが違うためここまで高額な割戻金が戻されることはまずないでしょう。

このため、共済のがん保険は民間のがん保険よりも、掛金の負担が少ないケースが多いのです。

審査が比較的緩い

がん保険に加入するときは、保険の対象にする人の健康状態を告知しなければなりません。

共済は、民間の保険会社に比べて加入時の健康状態の審査が緩く、健康状態に不安がある方でも加入できる可能性があります。

共済に加入する時に申告する項目は、主に以下の2種類。

・過去2年以内の入院の有無
・過去5年以内にがん、脳梗塞などの重い病気にかかったかどうか

共済によって告知事項は、異なる場合がありますが、基本的には上記の2種類が問われます。

民間の保険会社は、告知に加えて健康診断の結果の提出が必要な場合があり、審査自体も厳しい傾向。

近年は、健康状態の審査が緩いがん保険も発売されていますが、保険料の負担が高額になるため注意が必要です。

共済のがん保険のデメリット

共済のがん保険にもデメリットがあるため、加入を検討するときはきちんと理解して加入する必要があります。

具体的には、以下の3つです。

保障内容が最低限

共済のがん保険は、民間のがん保険と比べても保障が薄い場合があります。特に特約で付加するタイプの共済は注意しましょう。

例えば、がんと診断された場合に受け取ることができる「診断一時金」が1回しか受け取れない場合や、所定の先進医療を受けた場合の保障額が低い場合があります。

民間のがん保険は、がんと診断された場合に一時金を受け取れるだけでなく、一定期間後にがんが再発した場合でも、給付金が受け取れるものが主流になってきました。

さらに、先進医療を受けた場合の保障額も、民間の保険会社であれば、最高で2,000万円まで保障されるものがほとんどです。

先進医療は健康保険の対象外のため、全額自己負担。重粒子治療や陽子線治療などの先進医療は、1回につき200万円〜300万円の費用がかかります。

共済に加入するときは、保障額が少ないために、治療の選択肢が減ってしまう可能性がゼロではないことを認識して加入しましょう。

生命保険契約者保護機構の対象外

生命保険契約者保護機構とは、保険会社が倒産や経営破綻してしまった場合に、保険の契約者を守ることを目的とした組織のことです。

保険会社が倒産した場合に、保有している保険契約の責任準備金の90%までが補償されるため、倒産によって保険契約が全てなくなってしまうことはありません。

しかし、共済は保護機構に加入していないため、万一共済事業が破綻した場合は、共済の保障が全てなくなってしまう可能性があります。

所定の年齢で保障が終わってしまう

共済は、一定の年齢までしか継続できない場合が多いです。

例えば、都道府県民共済の「新ガン特約」の保障期間は60歳まで。

それ以降は、保障額が下がり最大でも65歳までしか継続できません。

一方で民間のがん保険は、終身払いのものが主流で、加入してから保険料を払い続ける限り生涯にわたって保障を得ることができます。

共済のがん保険をシミュレーション

この章では、各共済の保障内容をシミュレーションしていきます。

まずは、共済にどのような種類があるか確認していきましょう。

運営団体 共済名 主契約・特約 加入できる年齢
JA共済 がん共済 主契約 0歳〜75歳
全労済 がん保障プラス 特約 15歳〜44歳
都道府県民共済 新がん特約 特約 18歳〜60歳
CO・OP共済 あいぷらす 新がん特約 主契約 18歳〜64歳
パルシステム 団体がん保険 主契約 0歳〜70歳

共済のがん保険といっても、加入できる年齢や保障内容に違いがあります。

今回は、以下のモデルケースで加入した場合の掛金と保障内容を比較していきたいと思います。

・年齢:30歳(男性)
・掛金の払方:月払い

JA共済のがん保険(共済)をシミュレーション

JA共済は、全国共済農業協同組合連合会(JA)の組合員が加入できる共済事業ですが、組合員でなくても出資金を支払い准会員となることで誰でも加入できます。

JA共済の共済は、民間のがん保険と比較しても劣らないほどの手厚い保障が魅力的。

特に先進医療は最高1,000万円まで保障。がんが再発した場合は長期の治療を受けている場合も、共済金を受け取ることができます。

加入内容は以下の通りです。

保障内容 保障額
がんと診断されたとき 200万円(1回のみ)
がんでの入院(1日目から無制限) 1日につき 10,000円
がんでの手術 入院中の手術:40万円

外来:1回あたり10万円

がんで放射線治療を受けたとき 1回あたり 20万円
がん再発時や長期治療のとき 1回あたり 100万円
がん先進医療を受けたとき 通算1,000万円まで保障

先進医療共済金の額の10%の一時金を給付(上限30万円)

上記の保障内容での掛金は、6,517円です(99歳払込の場合)

手厚い保障が受けられる分、他の共済や特約に比べて保険料は高額です。

割戻金があるため、負担はいくらか軽減されますが、加入してから3年目からの受け取りとなるため注意しましょう。

全労済のがん保障プラスをシミュレーション

全国労働者共済生活協同組合連合会という団体が運営しており、各都道府県や職域の共済生協、生協連合会などが加入しています。

全労済のがん保障プラスは単独では加入できず、こくみん共済とセットで加入しなければなりません。

保障内容は、シンプルかつ最低限のものが揃っています。

特に上皮内新生物も保障の対象で、給付金は2年に1回受け取ることが可能です。

ただし、先進医療に関する保障がなく、加入できる対象の年齢が15歳〜44歳までと狭いというデメリットがあるため注意しましょう。

保障内容 保障額
がん(悪性新生物)と診断されたとき 100万円(1回のみ)
がん(上皮内新生物等)と診断されたとき 10万円(2年に1回が限度)
がんでの入院(1日目から無制限) 1日につき 5,000円
がんでの手術 1回につき 25万円
死亡・重度の障がいが残ったとき 10万円

上記の保障内容で、月々の掛金は1,400円です。

満期である60歳まで保険料の負担が変わることはありませんが、この掛金に主契約の掛金がプラスされる点を忘れないようにしましょう。

都道府県民共済の新がん特約をシミュレーション

都道府県民共済は、全国生活協同組合連合会(全国生協連)によって運営されており、各自治体(都道府県)によって、保障内容が少し異なるという特徴があります。

都道府県民共済のがんに対する保障は、新がん特約を主契約に付加する形です。

保障内容は、とてもシンプルで必要最低限のものが揃っています。

ただし、先進医療に関する保障額が若干低い点に注意しましょう。

詳細な保障内容は以下の通りです。

保障内容 保障額
がん診断 100万円(1回限り)
がんでの入院(1日目から無制限) 1日につき 10,000円
がんでの通院(1日目から60日目まで) 1日につき 5,000円
がん手術 10万円・20万円・40万円
がん先進医療 1万円 ~ 300万円

上記の加入内容で毎月の掛金は、2,000円です。

割戻金もありため、実質の負担はさらに低くなる可能性があります。

なお、都道府県民共済は、以下の7県では加入できません。

・中部:福井県
・中国:鳥取県
・四国:徳島県、高知県、愛媛県
・九州・沖縄:佐賀県、沖縄県

都道府県民共済に加入している方が引っ越しをした場合、引っ越し先の自治体の都道府県民共済に加入し直す必要があり、場合によっては加入できないため注意しましょう。

生協(CO・OP共済)の新がん特約をシミュレーション

CO・OP共済は、いわゆる生協の組合員のみが加入できる共済制度で、日本コープ共済生活協同組合連合会(コープ共済連)が母体となって運営されています。

がんに対する保障を準備するためには、あいぷらすの生命保障(死亡保障)に新がん特約を付加することで準備できます。

用意できる保障は、再発時もカバーできる一時金の給付や通院の保障まで一通り揃っています。

ただし、先進医療に関する保障が付加できない点に注意しなければなりません。

保障内容 保障額
がん治療共済金 200万円(2年に1回を限度として何度でも)
がん入院共済金(1日目から無制限) 日額 10,000円
がん手術共済金 1回につき 10・20・40万円
がん退院共済金 10万円
がん通院共済金 日額 5,000円

上記の保障内容で、月額の掛金は30歳男性の場合490円です。

非常に手頃な掛金で付加できるのが魅力的ですが、掛金は10年ごとに迎える更新の度に上昇していくため、注意しましょう。

パルシステムの団体がん保険

パルシステムとは、生協のうち1都10県で構成されるグループのこと。

CO・OP共済を運営している、コープ共済連とともに、CO・OP共済ではカバーしきれない保障を提供できるように共済事業を運営しています。

保障内容は、他の共済と比較しても手厚いのが特徴。

先進医療だけでなく、特定の手術を受けた場合の給付金が高額です。

具体的な保障内容は以下の通りです。

保障内容 保障額
診断保険金 100万円(1回のみ)
入院保険金 1日につき 10,000円
通院保険金 1日につき 5,000円
先進医療 通算500万円まで
退院後療養保険金 一時金として 10万円
手術保険金 1回につき 10・20・40万円
特定手術保険金(がんで胃全摘除術などの所定の手術を受けた場合) 1回につき 100万円
重度一時金 1回につき 100万円
葬祭費用保険金 限度額 100万円(実費補償)

月額保険料は、初年度が300円で2年目以降が400円となります。

団体がん保険は1年更新で、保険料は5歳区切りで設定されているため、一定期間で保険料の負担が上昇する点に注意しましょう。

まとめ

今回は、共済のがん保険について違いや仕組みを解説してきました。

共済は、保障内容は加入する共済によって大きく異なることが分かりますね。

がん保険を選ぶ時は、ご自身がどこまでの保障が必要かを考えて加入するとい良いでしょう。

できるだけ少ない掛け金で保障を準備したいという場合は、共済は有効な手段です。

共済と民間の保険の違いや共済同士の違いを理解した上で、あなたに合ったがんの保障を見つけていきましょう。

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