学資保険の必要性~不要?学資保険が必要な家庭といらない家庭をFPが解説

2019.03.23

学資保険

学資保険の必要性は、家庭環境や家計の現状によって大きく異なります。

そして、教育プランや親自身のライフプランなど今後の将来設計によっても必要性は変わります。

また現代では、学資保険以外の保険や金融商品で資産運用をして教育資金を貯める家庭も増えてきました。

学資保険は果たして必要なのでしょうか。

この記事では、学資保険が必要な家庭と、そうでない家庭の特徴を詳しくご紹介します。

目次

学資保険は必要?子供が産まれてから大学を卒業するまでに必要なお金

一般的に、子供が大学を卒業するまでの教育資金は、一人当たり約1,000万円かかると言われています。

しかし、子供が産まれてから大学を卒業するまでに必要なお金は、子供の進路や、親が考えている我が子の教育プランによって大きく変わってきます。

幼稚園から高校までの学習費

文部科学省の調査によると、子供1人を幼稚園から高校までを公立学校に通わせた場合の学習費総額は、約150万円となっています。

一方で、幼稚園から高校まで私立の学校に通わせた際にかかる学習費総額は、約440万円かかるという結果が出ており、公立と比較すると約3倍の学習費がかかる計算となります。

参考:文部科学省 平成28年度子供の学習費調査

私立大学新入生の家系負担

そして、子供が私立大学に進学した場合、「受験から入学までの費用」は216万円(自宅外通学者)、「入学の年にかかる費用」は297万円(自宅外通学者)という調査結果が出ています。

引用:東京私大教連 2017年度 私立大学新入生の家系負担調査

学資保険に加入する際にはより具体的な教育プランと、子供自身がいかなる進路選択をした場合にも対応できる十分な教育資金が必要と言えます。

先ほど示した具体的な教育資金の他に、現状の貯蓄額や、今後の親である自分自身のライフプランも含めていま一度見直しをしましょう。

そうすることで、学資保険に加入する必要があるかどうかが見えてきます。

学資保険に入る必要がない人6つの特徴

子供が大学を卒業するまでに必要なお金の準備が出来ている

現時点で、子供が大学を卒業するまでの教育資金の準備ができているという方は、わざわざ学資保険に加入する必要はありません。

とはいえ、親や子供に万一のことがある可能性はないとは言い切れません。

学資保険には、親が死亡や高度障害を負った場合に保険料の払い込みが免除となる「払い込み免除特約」があります。

また、子供が万一の際にも、この後紹介する「災害特約」や「傷害特約」が学資保険には存在します。

学資保険に加入しないという選択肢を取る場合には、その点も貯蓄や学資保険以外の保険できちんとまかなえるのかどうか、きちんと計算しておきましょう。

収入が不安定で学資保険の保険料を支払い続ける可能性が低い

契約者である親が自営業や自由業などを職業としている場合、収入が不安定で学資保険の保険料を支払い続けることが困難であるという方もいるかもしれません。

そういった場合には、学資保険の加入は控え、他の手段で教育資金を貯めていくのが得策でしょう。

なぜなら、学資保険は満期以前で中途解約した場合、解約返戻金(解約した際に戻ってくるお金)がそれまでに支払ってきた総払込保険料より大きく下回る可能性が高いからです。

株式投資やFX、資産運用によってお金の準備をする自信がある

ひと昔前までは学資保険の利率はとても良く、「教育資金の貯蓄=学資保険」が一般的ででした。

しかし、学資保険は貯蓄日銀のマイナス金利政策の煽りを受け、低金利であるのが現状です。

今までに株式投資やFXなどによって、学資保険に加入するよりも利率良く資産運用ができている方は、学資保険の必要性があるのか検討しても良いでしょう。

自分で運用する自信や時間がないという方でも、「積立NISA」など比較的簡単に投資のできる金融商品が現在多数登場しています。

とはいえ、資産運用にはリスクもつきものです。

学資保険には「元本保証」がある商品もありますので、確実性を求めるのであれば、学資保険の加入が必要と言えます。

生命保険や他の保険で十分な備えが出来ている

学資保険の他にも、貯蓄性を兼ね備えた保険商品は存在します。

「低解約返戻金型終身保険」の他に、「養老保険」がその代表的なものとなります。

こうした保険で、教育資金の備えが十分にできている場合には、学資保険にあえて加入する必要はないでしょう。

今から教育資金を貯める場合にも、学資保険以外の保険商品も比較検討するのが得策です。

なぜなら、被契約者が異なるだけで、実質的には学資保険と同じ構造で、満期返戻率が良い場合もあるからです。(年齢や病歴などの加入条件によります)

祖父母や親戚が子供の進学時にお金を用意してくれる準備がある

祖父母や親戚に潤沢な資産があり、子供の教育資金の提供を約束されている場合においても、学資保険の必要性はないと言えます。

贈与税は孫の教育資金が名目であれば、その都度必要分を受け取る、また一括の場合でも1,500万円までは非課税(一括の場合は2021年3月31日までの特例制度)です。

親にそれ相応の資産がある場合には、子供や孫に生前贈与を検討している方も少なくないでしょう。

資産は、なるべく贈与税のかからない形で継承したいと考えるのが通例ですので、教育資金が非課税であることを話しの折に触れてみるのも良いかもしれません。

子供の教育は特別考えておらず義務教育のみが親の責任と考えている人

子供に対する教育プランは、家庭によってそれぞれであり、特別に教育資金を準備する必要がないと考えている方も中にはいるでしょう。

そのようであれば、学資保険は強制ではありませんので無理に入らなくても良いでしょう。

万一のことがあった場合に備えて、子供の医療保険のみ加入しておくという家庭も存在します。

学資保険を検討した方が良い人4つの特徴

子供の将来に備えてほぼ確実にお金の準備をしておきたい人

学資保険のメリットのひとつは、「ある未来に、決まった額を銀行預金よりも利率よく貯蓄できる」点です。

学資保険は以前に比べると低金利ではあります。

しかし、貯蓄の確実性は銀行預金にひけを取りませんので、確実に決まった額の教育資金を準備したい方にとっては、学資保険は向いていると言えます。

さらに、学資保険に加入する際には、いつまでにどれだけ貯蓄できるかの「シミュレーション図」をもらうことができます。

将来における貯蓄過程が見える化されるだけでも銀行預金より安心感があり、より確実性を実感できます。

現時点で子供が大学を卒業するまでに必要なお金を準備出来ていない人

いまの時点で、子供が大学を卒業すると仮定した場合のお金が資産として蓄えられていない方は、学資保険を検討しても良いでしょう。

仮に子供がいま0歳で、毎月1万円積み立てたとしても、教育資金が必要になる15年〜20年先には、単純計算で360万円〜480万円貯蓄できることになります。

また、返戻率の良い学資保険を選択すれば元本以上の資金が準備できることになります。

貯金が苦手な人、中長期的にお金を貯める自信がない人

貯金が苦手で手持ちの現金をつい使ってしまう人、または家計管理やプラン立てに自信がなく、自分で中長期的にお金を貯める自信がない人。

このような方にとっては、学資保険は教育資金を貯める保険商品として向いていると言えるでしょう。

学資保険は、一括や年払いでの払い込み方法もありますが、月払いで半強制的に銀行口座から払い込む方法もあります。

そして、満期以前に解約してしまうと、大きく元本割れしてしまう可能性も大きいのです。

そうすると、簡単に保険金引き出すことができないため、教育資金を使い込むことに対しての抑止力にもなります。

株式投資やFXなど、リスクをとるのではなく安心してお金を準備したい人

株式投資やFXなどの金融商品は、学資保険よりも利率よく資産運用ができる可能性が大きい反面、元本を大きく割ってしまう可能性もあり「ハイリスクハイリターン」であることは明らかです。

今までの投資経験で、学資保険よりも利率良く資産運用してきた実績のある方でも、大切な我が子のことを想えば、リスクは避けたい方もいるはずです。

そういった方々にとっては、学資保険は手堅くローリスクな資産運用と言えます。

学資保険の特約の必要性

学資保険には、教育資金を貯蓄する以外にも、さまざまな「特約」を付けることで子供や親の万一の際に備えることができます。

ここでは特約の必要性を種類ごとに見ていきます。

学資保険の育英年金特約は必要?

「育英年金特約」とは、契約者である親に万一のことがあり、死亡または高度障害になった際に、以後の保険料の払い込みが以後免除になります。そして、満期になるまで毎月一定額の年金が支給される特約です。

親自身が加入している医療保険の収入保障特約と内容が重複する場合には、あえて付ける必要はないと言えます。

しかし、そうでないということであれば、特約自体の保険料はそれほど高くありませんので付けておくと安心です。

学資保険の医療保険特約は必要?

現代の日本は、乳幼児の医療費助成制度が充実しており、なかには中学生まで医療費が無料という自治体も存在します。

また、万が一子供が大きな病気や怪我をして入院したとしても、「高額療養費制度」という制度もあります。

世帯年収370万円以上の世帯ですとひと月の自己負担上限額は、どんなに医療費が高額になったとしても81,000円に抑えられ、世帯年収が370万円以下の家庭はさらに安く抑えることができます。

特約をつけるとその分保険料は上がり、そうなると満期返戻率は下がってしまいます。

まずはいま住んでいる自治体の医療費助成制度と、高額療養費制度を確認してみましょう。

そして、現状の資産を照らし合わせた上で、医療保険特約が必要か否か判断するのが得策でしょう。

学資保険の災害特約は必要?

災害特約は、子供が不慮の事故、または特定の感染症によって死亡もしくは所定の障害状態になった場合に、主契約の保障に上乗せする形で保険金が支払われる特約のことです。

保険料が割安なメリットがある反面、損害保険で加入するよりも保障範囲が狭いのが一般的です。

ですから、保障範囲と現在加入している学資保険以外の保険を良く見てから、必要かどうかを決めましょう。

学資保険の傷害特約は必要?

傷害特約は、災害特約の保障に加えて、また、不慮の事故で所定の障害状態になった際には障害給付金を受け取ることができます。

こちらも注意が必要なのは、保障範囲が狭い可能性があるということです。

災害特約と併せて入る必要性はないと言えますが、万一のことに備えることは大切です。

単体の損害保険と比較してみて、保険料と保障範囲をきちんと把握した上で加入するかどうか判断しましょう。

学資保険は必要?不要?2つのモデルケースでシュミレーション

学資保険の必要性シミュレーション1

現段階で教育資金をまかなえるだけの貯蓄がある家庭のケース

被保険者(子供):0歳 男の子
契約者:30歳 男性
計算基準日:2019年04月01日

保険料払込期間:10歳まで
月払保険料:38,850円
受取額資金総額:500万円
支払保険料総額:4,662,000円

返戻率:約107.2%

子供が生まれた段階で十分な貯蓄がある場合には、払込期間を一括にするか、短くすることでより満期返戻率が上がります。

そう考えると、銀行に預けておくよりも利率は良いので、学資保険を活用して現在用意してある教育資金を運用するというのも1つの手です。

学資保険の必要性シミュレーション2

毎月の世帯収入は多くないが、子供の教育資金をできるだけ準備したい家庭のケース

被保険者(子供):0歳 男の子
契約者:30歳 男性
計算基準日:2019年04月01日

保険料払込期間:15歳まで
保険期間:18歳
月払保険料:10,780円
受取額資金総額:200万円
支払保険料総額:1,940,400円

返戻率:約103.0%

返戻率はシミュレーション1と比較すると良いと言えません。

しかし、毎月確実に貯蓄ができること、そしてこれでも銀行に預けていくよりも返戻率が良いことを考えると、学資保険はメリットがあることがわかります。

参考:ソニー生命保険

まとめ

学資保険が必要かそうでないかは、現在の貯蓄額だけでなく、様々な判断基準があることを今回詳しくご紹介しました。

子供の教育資金を貯めるのは、早いに越したことはありません。

思い立ったが吉日の精神で、現状の家計の洗い出しや、学資保険やそれ以外の金融商品の比較検討をして学資保険が必要かどうか早めに決めることをおすすめします。

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